昨年6月に一応完結した本書。期待した新シリーズが始まり、即購入です。
舞台は江戸。前シリーズは五代将軍・徳川綱吉の時代でしたが、あれから10年経ち、まだ八歳の七代将軍・家継の世。
やくざ世界で育ち、丑蔵一家の親分となった主人公・虎之助は、数奇な運命で久留米藩二十一万石の六代目藩主・有馬則維になって早10年。大名としての風格がつき、将軍・家継や大奥での人気は格別高く、副将軍でも狙おうかと考えていた矢先、家継が急死。次期将軍をあれこれ画策するが、よりにもよって将軍となったのは、昔虎之助がぼこぼこにした紀州徳川の吉宗。その恨みを忘れぬ吉宗は。。。
武士世界に持ち込んだ極道な考えや悪だくみ、はちゃめちゃストーリーは著者・風野さんの得意とするところで、笑える場面が多く、非常に面白いですね。
吉宗が虎之助が放った捨て台詞、『有馬。わしを舐めるなよ。お前の藩、お前の一家、そしてお前は、かならず、なぶり潰してらるからな』。どう立ち向かう虎之助。次巻以降が楽しみです。
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■本書の基本情報
・筆者:風野真知雄(カゼノ マチオ)、1951年福島県生まれ、立教大学卒
・略歴:1951年福島県生まれ。立教大学法学部卒業。'93年「黒牛と妖怪」で第十七回歴史文学賞受賞。2015年、「耳袋秘帖」シリーズで第四回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』で第二十一回中山義秀文学賞を受賞した
・発行:双葉社
・発売:2017年9月
・ページ数:261p
■これまでに購読した風野真知雄の著書
・「妻は、くノ一」(全10巻)
・「若さま同心 徳川竜之介」(全13巻)
・「新若さま同心 徳川竜之介」(全8巻)
・「大名やくざ」(全8巻)
・「わるじい秘剣帖」…第8巻まで