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2017-11-28
- 読んでないのはもったいない！
- 日経新聞の書評欄で、中国研究を専門とする東大教授が取り上げていたので購入を決めたのだが、やはり間違いなかった。
このごろワンパターン化し、量産されている「中国本」とは一線を画し、ウイグル族、キリスト教徒、同性愛者、女性活動家など、うまい（中国政府が嫌がる？）テーマ設定で、リアルな中国の現在を切り取っている。
事実が淡々と書き進められている中にも（ルポだから当然だが）、こうした中国の弱い立場の人たちへの温かいまなざしが向けられ、筆者の人柄が時折、顔をのぞかせているのもいい。
もっと深く掘り下げてほしいと感じる場面も所どころあるが、中国共産党による一党独裁の体制下、適法な取材にはビザが必要で、徹底した情報管理と取材規制が行われている中国の現状を正しく理解すれば、仕方がないか。むしろ、その取材内容には驚かされると言ってよい。
平易な文章で、難しい内容でもないので、中国の入門書にいい。この本を手始めに、中国の人権や民族、宗教、貧困、政治経済などの専門書へと手を広げていくのもよいのではないだろうか。
この本をまだ読んでない方がいるとすれば、実にもったいない。
まずは、この本の目次だけでも目を通してみられたらどうだろう。これまで日本で紹介されてきた、ありきたりの中国ではない、未知の中国が広がってくるはずだ。 - このレビューのURL
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