サントリーの創業者・鳥井信治郎の一代記。赤玉ポートワインやウイスキーの成功、やがてビールへの挑戦が描かれているが、人物の、つまり器の大きさがイマイチ伝わってこない。また、終盤に移るにしたがい、同社のＰＲ誌のような感覚に陥ってしまう。サントリー宣伝部と言えば、開口健、山口瞳、柳原良平氏らを産んだから……ちょっと皮肉に受け取りすぎか。