直心影流の達人・坂崎磐音の嫡子空也は十六歳で武者修行に出た。最初の地、薩摩で二年の修行を終えた空也は肥後国へと戻る。人吉城下にあるタイ捨流丸目道場の門を再び叩いた空也は、山修行を思い立ち、平家落人伝説が残る秘境・五箇荘へと向かう。その頃、薩摩では具足開きの各流派の連合稽古で恥をかかされ、重鎮だった酒匂兵衛入道を倒された東郷示現流の一党が、空也に向けて刺客を放った。空也と酒匂兵衛入道の三男・酒匂参兵衛との二番勝負の行方は。。。
”高すっぽ”と呼ばれ、周りの人たちから愛される穏やかな人柄をもつ反面、独自の剣を編み出そうと苦心する空也の姿、刺客とのすさまじい闘い、眉月との一途な恋心と、これからの波乱の武者修行の行方が楽しみです。
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■本書の基本情報
・筆者:佐伯 泰英(サエキ ヤスヒデ)
・略歴:1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』以後、スペインをテーマにした作品を発表。'99年、初の時代小説『密命』を皮切りに次々と作品を刊行、時代小説の旗手として高い評価を得る。
・出版:双葉社
・発売:2017年9月
・ページ数:332p
■これまでに購読した佐伯泰英の著書
・「異風者」
・「密命」(全26巻)
・「夏目影二郎始末旅」…第14巻まで
・「古着屋総兵衛影始末」(全11巻)
・「吉原裏同心」…第16巻まで
・「居眠り磐音江戸草双紙」(全51巻)、「居眠り磐音江戸草双紙 読本」
・「酔いどれ小藤次留書」(全20巻)
・「新・酔いどれ小藤次」…第5巻まで
・「空也十番勝負」…第1巻まで(本書)