60代のオヤジです。
「よく生きてこれたね」NHKの番組で観た台詞。この台詞がどんなシチュエーションで言われたのか、小説の内容にどんな影響をもっているのか、それだけに惹かれて本を買いました。
あの頃の若い男があんな風に情けないのは、大して珍しいことでも無く、作家の名前を付けたサッカーゲームに時間を浪費する件は、そんな男を表すのに充分でした。
一気に読み終えました。ただ哀しくて、その夜も翌日も、哀しさと、胸のザワザワが鎮まらず、気になったベージを読み直しました。
自転車のベルを鳴らす辺りから沙希を後ろに乗せて走る件、夜明けまで桜をみてる場面は泣かされました。
些細な感情の表現や感情の揺れの原因になった場面の表現は的確過ぎて苦しくなる程です。
あまり人には話さず、そっと仕舞って置きたい小説です。