瀬尾まいこの本には悪い人が出てこない。
と、わたしは思っている。
そして、かならず心をやわらげてくれる。
本書は、
結婚準備を進める「私」の前に、見ず知らずの「兄」と名乗るどう見ても一回りは年下の男の子が現れる ところから始まる。
どう考えても怪しすぎる状況なのに、なぜかまわりに自然と受け入れられて…? いやいやあり得ない!と思いつつも、どこかほのぼのとしたやりとりが心地好い。
「私」も「お兄さん」も和菓子屋の彼もそのご両親も、登場する人がみんなあたたかいのだ。
そして「お兄さん」の正体は…
読後感のよい一冊でした。