最初の1曲目からやられてしまいました。同じ「I Love you Porgy」でも、B.エヴァンスのソロが孤独を感じさせる演奏だとしたら、本作の演奏は、愛情と感謝にあふれた表出感のあるものである。
「ただただ美しい」とか「超名盤」というこのアルバムに対する多くの賛辞としての言葉の奥に在るキース・ジャレットという人の出逢った様々な事象へのいつくしみと思いの感じられる一枚。
聞けば、やはりというべきか、このアルバムはキース・ジャレットが罹患し音楽活動を休止する原因となった「慢性疲労症候群」療養後の復帰第一作であり、その療養中のキースを支えた妻のローズ・アン・ジャレットさんに捧げられたものであった。
個人的には、今年、出逢えたことが最大にうれしいフェイバリット・アルバム。
P.S.
音はECMレーベルらしい冴え冴えとしたものです。