線一本一本が繊細でとても美しい絵本でした。

動物の美しさと可愛らしさが写真以上に感じられます。全ページ素晴らしくて、ページをめくる度に見入ってしまいます。色鉛筆で描いているようなんですが、どうやったら鉛筆でこんなに繊細な線が引けるのかというレベルです。

5歳のおふざけ男児にも、この色、絵の美しさは心に届いたらしく、 「ふぅ～っ きれいな青だねぇ」と、ため息をついていました。 「この葉っぱの線は、どんなふうに描いたのかなぁ」 とか、「フランスでは、夢の色はこんなブルーに感じるんだ」とか、 いろいろな感性を刺激してもらえて、美術館に行ったかのよう。 とってもお得に感じられた絵本です。

後作に『はくぶつかんのよる』『シルクロードの赤い空』『ねむりどり』がありますが、個人的にはイザベル・シムレールの良さが出ているのはやっぱり『あおのじかん』だと思います。絵をメインに味わう本です。大判なのも良いです。

題名の通り、細い線で描かれた絵と多彩な青が心を落ち着かせてくれる感じです。