時は戦国、織田信長が天下統一を狙い、大坂本願寺を滅ぼそうと着々と準備を進める頃。乱世にその名を轟かせた海賊衆の村上海賊。瀬戸内海の島々に根を張り、三つの村上家の中で強勢を誇る能島村上家当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、主人公の娘の景(きょう)、二十歳。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦で醜女の景が活躍するシリーズ第1弾。(全四巻)
対立する能島村上家を仲間に引き入れ、一向宗大坂本願寺を助勢し、信長を滅ぼそうと画策する小早川隆景ら毛利家、駆け引きする武吉。
そんな時代背景の中で、男勝りで豪放磊落ながら、イケメンの海賊に嫁ぎたいと思う、ある意味純情可憐?な景、嫁ぎ先を探す父、心配する兄弟、手下らの心情がユーモラスに現代風の言葉使いで表現されていて、何とも面白い。
確かな時代考証、史実に基づく木津川合戦に、景ら村上海賊がどう立ち向かっていくのか、最終巻まで楽しみです。
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◎本書の発刊
・筆者:和田 竜(ワダ リョウ)、1969年大阪府生れ。早稲田大学政治経済学部卒
・発行:新潮社
・発売:2016年6月
・ページ数:343p
◎これまでに購読した和田 竜さんの著書
・「のぼうの城」…上下2巻
・「忍びの国」
・「小太郎の左腕」