小学生の頃、クラスメイトでやたらと文房具を集めている子がいました。
僕らがおこづかいをマンガや駄菓子屋につぎこんでいる時、彼はひたすら文房具を購入し、決して使用しないのです。
まさにコレクションでした。
彼は(パッケージを含めた)文房具のデザインと色を重視しており、場合によっては機能優先のために不格好であるものですら可愛く思っているようでした。
文房具に「書きやすい」「よく消える」などの実用性以上の魅力を感じなかった自分には不思議なことでした。
今思うと彼は文房具にアートを感じていたのかもしれません。
日常的で普遍的なものの中に潜む芸術。
きだてさんもそんなことを感じる子供だったのでしょう。