従来、医学部進学は医師の家庭の特権であった。だが社会情勢は様変わりしてきていることが述べられている。タイトル通り、何となく、うちの子供でも医学部に行けそうな感覚を持てる、期待感の持てる本ではある。
筆者はその大きな理由として、順天堂大学医学部など有名私立医学部が、学費を下げたことを挙げる。6年間で2000万円ぐらいなら、確かに何とか子供を医学部にやれそうな気はしてくる。しかし、コロナ禍で、状況はまた変わりつつある。一つは東京女子医大など学費が大幅に上昇した私立医学部が増えたからだ。また、順天堂大学医学部など、学費の面で安価なところは難度が急上昇して偏差値的にとても手が出ないからだ。
夢は遠のきつつある。著者にはそういう新たな状況を再度調べて書いてもらいたい気もする。