繋がりの無い短編集です。書かれた時期も異なるので、本当に短編の詰め合わせですね。評価が極端でしたが、楽しめました。
【浜田青年ホントスカ】
短い話の中で伏線を回収している、『らしい』話。
結末がどちらともとれるので、都合よく解釈しています。
【ギア】
唐突に不可思議な世界観を叩き付けられるので、戸惑います。
同じ世界観で、他にも作品があるのですね。好き嫌いが分かれそう。
【二月下旬から三月上旬】
理解しにくい話だなーと思っていて、最後の数行と解説を読んでまた混乱します。
『ギア』とこの作品が、この一冊を『わかりにくい』『読みにくい』という印象にしているようです。
【if】
読後にすっきりする一話。
文章だからこそできる(映像ではできない)手法ですね。
【一人では無理がある】
【彗星さんたち】
『ギア』あたりで挫けそうになっても、飛ばしてこの二つだけでも読んで欲しい作品。
散らばったピースを集めるような楽しさがあります。
【後ろの声がうるさい】
前6話から少しずつ要素を引っ張ってくる、単独の話。
最近の伊坂さんの作品は、作中で答え合わせをしないので物足りなさが残ることもあるのですが(個人的には大々的に伏線回収を発表して欲しい派です)、『残り全部バケーション』の解説にあったように、読者を信じて任せているから…と思えば少し納得できる、かな。
総合して、好きな話も苦手な話もあるところが『短編集』の醍醐味なのかもしれません。