片付けたいけど片づけられないのではなく、片づけたくない。人が片づけると怒る・・米国ではホーダーと呼ばれ認知されていらっしゃるみたい。著者とホーダーの母親の壮絶な攻防戦実話。
ネズミ、ゴキブリはデフォ。ゴミで足の踏み場はなく、電化製品はあっても壊れたままか、汚くて使えない・・使えないのでまた物を買う。明らかにゴミを袋に入れても、その袋を漁ってまだ使えると怒る。物の移動が片づけだという考え。人が見かねて修理費をだし段取りをつけるまでは関与したくない態度をとるが、段取りがつけば口を出し、不満は言ってもお礼の言葉はなし。・・実は私、関係者として短期間ですが経験しました。「ホーダーあるある」といっても言いくらい頷きながら読みました。
一番の問題は近隣への迷惑、家族関係にも影響を及ぼしているのに、本人に自覚がなく、治す意志が生じにくいところ。身内には攻撃的な態度ですが外面がいいので、周囲に家族の苦悩や奮闘が理解されにくい、敢えて関わろうとする人はいないので巻き込まれた人は孤独な闘いになってしまうというようなところではないかと思います。
私も散々な目にあって大袈裟かもしれませんが作者と同じく精神的&身体的危機を感じて匙をなげました。その後残ったのはノミが原因の皮膚科治療と徒労感だけです。本書の結末もこれしかないな・・という感じです。私のように関わってしまった人には共感と慰めの一助にはなると思います。ホーダーかもと思われた方には客観的に自分を見つめなおす一助になられるかもと思います。
日本にはまだ専門医がいらっしゃらないそうですが、専門医、早急に望みます。
この続編があれば読んでみたい。