身内が施設に入所しています。現在のところ認知症以外は極めて健康ですが、いずれ終末期のケアをどうするか、家族として決断を迫られる日が来ます。
食べられなくなるのは終点が近づいているから…理屈では十分わかっていても、現代では胃瘻やIVHといった経口によらない栄養摂取が可能で、利益衡量を意思決定が困難な本人に委ね、結果をも本人に帰するのは厳しいものがあると考えていました。いわば家族が本人の余命を握っているようで、何とも神の領域を侵すようで厭なものです。
詳しくはこの本を読んでいただくことにして、結論から言うと本書は認知症患者のそばにいる家族を救います。日々認知症サポート医の先生が家族を慮って下さるのと同じく、著者の大井玄先生が家族の肩の荷を減らしてくださいます。
終末期に至って慌てるのではなく、余裕のあるうちに予習し、今のうちにできることがあれば先手を打っておくと肚が据わります。