主人公の『ぼく』がついやってしまうクセには
ちゃんとした理由があるんですね。
ハナをほじるのはね・・・
ハナの奥のスイッチを押して『ウキウキビーム』を出して
みんなを楽しい気持ちにさせるためなんだ。
ツメをかむのはね・・・
大人には聞こえない音を出して
ゴミ捨て場のカラスを追い払うためなんだ。
ごはんをボロボロ落としちゃうのは・・・
小さい不思議な生き物たちに
おいしいごはんを少し分けて欲しいと
頼まれているからなんだ。
『ぼく』の想像力豊かな理由が楽しくて微笑ましく
思わずクスッと笑ってしまいます。
お母さんは子供が必死で考えた理由を頭から否定しないで
『いろいろ理由があるのね、大変ね』とか
『・・・ああ、そうですか』とか
呆れ顔をしながらも一度は受け入れます。
でも、お母さんは
うさんくさいものを見るような納得してない顔をしています。
この表情がたまらなくいいんですよ・・・
この絵本の表紙では、イスに座っている子供が右手でハナをほじり
左手を足の間に挟んでいるのですが
うちの子供もこういうことやってます。
作者は子供をよく観察してますね。
それから裏表紙をみて思わず笑ってしまいました。
ハナをほじる→ほじった指の匂いをかぐ→その指をなめる
子供がよくやるハナほじりの3段階攻撃ですが
私が子供の時、ハナクソを食べる友達がいたこと思い出しました。
しかしこんな理由を次から次に思いつく『ぼく』は天才ですね。
うちの子がこんな言い訳を言ってきたら
私も『ぼく』のお母さんみたいに
『なるほどね、よーく分かったわ』とクールに言ってみたいです。