母が新聞広告などで興味を有したので、代行買い致しました。
本書で一番驚いたのが、現役の名誉教授が糞真面目にとんでもなくドラえもん及び大長編ドラえもんをくまなくリピ読みし、かなりの時間を割いて本気で分析していた点。
こういった書籍にありがちなにわか知識でない点はかなり好感が持てました。
ただ、それと同時に、ロスジェネ世代からすると、ドラえもん自体がかなり甘めな時代背景の作品なので、果たして、作者が述べているようにのび太の試行錯誤ややさしさ等で、今後の社会を乗り切れて行けるかと言われるとかなりの疑問符が付く感じ。
また、のび太は勝ち組の理由として、しずかちゃんとの結婚が大きく挙げられておりますが、価値観が個々によって頗る相違してきている現在、美人さん・優しい・夫の事をよく理解してくれている奥さんとの結婚というだけではなかなか勝ち組とは言い切れない面も多いでしょう。
少なくとも、余程のドラえもんマニアでない限り、偏差値60以上の中受経験がある様な中学生は興味も示さないような気がします(;^_^A (高校受験の偏差値60と大きく異なり、中受・大受の偏差値60以上というのは結構高いので、そこら辺はご留意を。)
著者の取り込みの斬新さや熱意は伝わっては来るのですが、近年、世界3大投資家の一人のジム・ロジャーズが、「今、私が日本の若者であれば、剣を持つか海外に逃げる」という言葉を残しているように、積み重ねの大切さ、先見の明を鍛える経験は少なくともドラえもんからは余り得られないような気がしてなりません。