5年前に当時、売上ランキング上位にもなってちょっとしたブームになっていた経済学の本です。分厚い本で、本編約600頁、注釈約100頁もあり、勢いに任せて¥5500の本ですが買ってしまいました。NHKEテレ「パリ白熱教室」で6回にわたってエッセンスの講義番組が放映され録画して見て大まかな内容はわかっていましたのでずっと積読になってしまっていました。
格差社会が生じる原因を世界各国データを実証的に分析した結果から導き出し、格差是正策を提言しているものです。
膨大なデータとともに著述されたものですが、その結論は極めてシンプルで、所得と富の分配の不平等化が進んでいるが、経済規模の拡大よりも資本による取り分が大きくなるためであり、これは資本主義経済が真っ当に成長すれば起こる極めて自然な現象で止めることはできない。全世界的所得格差を是正するためには資産課税や累進課税をもっと強化すべきである、というものです。
格差形成の過程、歴史が非常によくわかりました。大作で読破には骨が折れましたが、定評通り極めて優れたわかりやすい経済学書だと思います。