ネット社会による情報の氾濫、選択肢の増大。信頼や暗黙の了解によって思考をとばしたり、ショートカットしなければ日常を送れない。しかし、そこをついてオレオレ詐欺や悪徳セールスなどが財布の中身をかすめとっていく。この本には「影響力」を「武器」として活用してくる輩たちへの対処法がわかりやすく記載されている。影響力の武器は6つの原理からなっている。たとえば・・・
1.返報性…試食などでまず「おひとつどうぞ」と言われると断りにくくなる、など
2.一貫性…そして「美味しいです」と答えると、そう答えてしまったため、買わないのは一貫性が保てない。
3.好意…お客様だけ特別ですよ割引しますと言われたり、
4.権威…高感度の高いタレントが(仕事で宣伝しているとわかっているのに)その商品を絶賛していたり、
5.社会的証明…品の良い、イケてるひとがその商品を目の前で買っていたり、(サクラかも・・)
6.希少性…その商品が特売で明日からは値段が高くなると言われたり、本当は在庫がいっぱいあるのに2,3個しか棚に置いてなかったり、
商品を買っているのか?買わされているのか?自動的な承諾誘導により、パブロフの犬になっていないか?
しかし、それらを何もかも疑って訝って過ごすのもストレスになる。要はこういった承諾誘導を巧みに使用して金儲けをしようとしている人間・団体がいるということだ。
ここに記載されていることは正直、たいした驚きはない。そういえばそうだな、とだれしも思うだろう。
しかし、相手はこれらを研究し、一平卒に研修し、われわれの前に現われてくるのだからこちらも対策しておかなければ立ち向かえない。オレオレ詐欺などで「オレは絶対に引っかからない」と豪語しているひとと、「もしかしたらだまされるんじゃないか?」と疑問を持ち、対策を練る人、やつらはどちらをかもだと思うだろうか?