前巻の後書きで、「次が最終巻」と言ってたのに、蓋を開けてみれば分冊になって、後もう1巻出るようですね。それだけたくさん書きすぎて1冊に収まらなかったと作者も書いているだけあって、これまでに負けず怒濤の情報量です。
薔薇のマリアの世界の成り立ちでまた新しい断片が、それもかなりの量で出てきますし、エルデン崩壊から飛行戦艦に乗り込むまで、更に飛行戦艦に乗り込んでからも地獄へ侵入し、“世界の終わり”まで到達するまで、どの過程においても、僅かとは言え息を吐く時間はあったはずなんですけど、それを感じさせない怒濤の展開、予想も付かない展開、超常者達の回想など、読む側を飽きさせない話の連続です。更には登場するキャラクター達が、それまでの過酷な状況下において様々な形で『変わってしまった』のもいますけど、皆芯の部分は一切ぶれていないから、文章の中で力強い生命感、躍動感を持って動いています。おかげで何日かかけて読むつもりが、読めば読む程続きが気になって、1日で一気に読んでしまいました。
さて、怒濤の展開の連続に加え、かなりの数のキャラクターが死んでいったこのシリーズですけど、いよいよ来月発売される次巻で今度こそ完結します。一体マリアローズ達にどんな運命が待ち構えているのか、張り巡らされた伏線はどのように回収されていくのか、そしてどのようなエンディングで締めくくられるのか、発売が待ち遠しいです。