ずっと昔、北岳とその周辺の山々に何回か行ったことがあるから、情景、地名や施設などがとても懐かしく思い出された。それだけに、あの場所に、救助犬が3頭とかドックランとか違和感があって、最初は物語にはなじめなかった。それが読み進めるに従い、作者の作る世界にのめり込み、手に汗握りながらいっきに読んでしまった。せっかく山々などの陰影のある美しい描写や登場人物の心理描写があるのに、話の展開に夢中になり、置き忘れてきてしまった。それにしても、いい年して、登場する二人のミステリアスなたくましい女性に憧れを感じてしまった。少し、エロチックさを加えて、ドキドキしたかったかも。