タイトルにある「丕緒の鳥」と、「落照の獄」「青条の蘭」「風信」の短編四編が収められています。前の二編は雑誌掲載のもの、後の二編は書き下ろしです。
まず、本商品のおすすめ度が☆ひとつのものがありますが、どうやら商品が届かないからというものがほとんどです。決して本作の質についての評価ではありません。人気シリーズ故のことなのでしょうが、楽天ブックスの対応のせいで評価を落としてほしくないですね。それはさておき。
相変わらず山田章博氏のイラストが美しい。思えば本シリーズに手を伸ばしたのは氏の表紙が目についたからでした。短編だからか挿絵はありません。各短編の表紙があるのみです(画像2参照)。他の話のイラストは本書を手に取ってください。
最後に読んだからかも知れませんが、「風信」が一番のお気に入りです(女の子を主人公にした作品だから?)。
王や麒麟はほとんど登場しません。「丕緒の鳥」で丕緒が僅かに慶王・陽子と会話を交わすのみです。基本的にどの話も暗いです。でも「落照の獄」を除けば一縷の希望の光が見えて終わるので、読後感はそう悪いものではありません。
小野不由美氏が執筆中の新作長編と絡む部分があるのか楽しみです。