現代では考えられない、厳然とした身分の格差。
出自が全てという非情な世の中を、美貌と才能で渡り切ろうとする主人公。
心の中の柔らかくて温かい部分を閉ざして、ただひたすらに上を目指す姿が美しくも哀れ。
しかし、安易な成功譚に終わらないところが素晴らしい。
なかなかBLではお目にかかることが出来ない、敗れたる者のお話です。
残念なのは、エロ場面を中途半端にしか描いていない為、何をしているのかよく分からないコマが複数あること。
エロを露出しないのがこのレーベルの方針なのでしょうか。
それを差し引いても非常におもしろかった。
強く勧めます。