個人的に13歳の頃より古流居合をたしなむので、他武道にも興味があり、参考文献として40年位空手、柔術、拳法、居合、剣術等の書籍やビデオ、DVDを持っている。日本武道館の古武道シリーズもすべて拝見し有名大型書店の武術コーナーにある物はほとんど所有しておりこの書籍も買わせていただきました。 杉野嘉男先生のビデオ、大竹信利師範の『無形文化財香取神道流』全3巻も拝見させていただいた。その他、香取神道流の諸兄との関わりについては、省略しますが、この書籍は、天真正伝香取神道流の技の技術本であって、諸所異なる部分も見受けられるが、武歴に書いてある通りなら香取神道流と言える。(最近は武道オタクでさえ師範になれる時代である。又合気道の世界でも八光流系統出身者が大東流を名乗ったりしている)古武道は、やはり出自が重要視される。たしかに大竹利典師範に就かれたとあるが、正統宗家からの認可も受けられたとある。たしかに天真正伝香取神道流と名乗る以前、天真正伝神刀流と名乗った時期はあったが、それと代々宗家が居られるので、正統修行者は師範止まりだが、一技道武道宗家 椎木宗道と名乗られている。たぶん家伝の武術が香取神道流だったと言うのも信憑性がある、古武道に言える事だが、自分の流派を起こし宗家と名乗る場合、これほどあからさまな流名は名乗れないのが、この世界の無言の決まりではないだろうか?現在は香取神道流をと一字異なる流派は、いただけないが、門外漢の者にとっては、係わりのない事である。 他のネット書籍販売店の評価にこの書籍とYouTubeでマスター出来ると書かれている方がいらしたが、YouTubeは先達方の技はほんのごくごく一部で、本来の武技になる程、古武道は浅い物ではない。古武道書としては、おもしろいが、これが本来の天真正伝香取神道流だとしても、又本来の正統派は、型が長く激しく打ち合う為、修行者しか相手をどこの打ち合いで仕留めるか分からない様、他流者に悟られない様構成されている。この書籍は、天真正伝香取神道流の影響を大きく受けた(派生した)古流剣術書として見て見るとおもしろいかもしれない。古流剣術、居合をされる方には、一読の価値があると思われる。

香取神道流を学んでいる私には、非常にありがたい 教本です。 動きが荒削りなこの流派はとても複雑な 太刀筋を要求される為、この本で写真を見ると、 （あ、これだ）と、動きが蘇って来ます。 愛刀の吉行共々大切にしたい教本です。