ヒロインが王子の申し出を受け入れるか悩むのは、故郷を遠く離れることもあるけど、王子の魅力に屈しそうな自分の気持ちに気づいているから。王子であり雇い主でもある自分に対し、必要とあらば意見することを恐れないヒロインに、魅力を感じ恋人としたものの関係は秘密のまま。そのため、兄が結婚すれば自分の公務が減らせると、妹姫が花嫁候補を選ぼうと張り切りヒロインに相談し、彼女を困惑させてしまうのです。もとより彼と結ばれる資格はないと覚悟しているヒロインですが、熱く求めてくる彼を拒むことはできず、別れが訪れるまではと彼を受け入れます。彼は彼女に対する強い気持ちが本物であるとようやく気づいて……。
__ヒロインが彼の立場を考えて、あくまで控えめに彼を支えようとする気持ちが、とても切ないロマンスでした。