この本は、東南アジアでの生活体験記を期待し、東南アジアに居を構えて生活する場合の具体的な情報を期待して購入した私の期待に応えるものではなかった。特に知りたかったのは、住居費や電気ガス水道などライフラインがどうなっているか、実際に生活する場合の注意点など、生活するうえでの具体的な情報。ビザは？ 居住届は？ 等々。それに対し著者は「住居は固定しない。ASEAN諸国を移動しながら暮らす」事を旨とし、日本国内で不動産投資をし、2，3カ月毎に帰国して不動産の管理会社を訪問する以外はASEAN諸国を移動しながら暮らす人で、その発想の原点は「金持ち父さん」。日本でお金を円で稼ぎ、金利が高く物価が安いASEANで円の強さを享受しつつ生活する。そんな著者は金融リテラシーが肝要と、金融リテラシーにかなりのページを割いている。この本は、このようなライフスタイルを紹介する本とでも言ったら良いだろうか？ 少なくともこの本は、一般読者の生活を違った観点から見直させ、世界に目を向けるキッカケを与えてくれること請け合い。一読に値する。