地獄変の屏風を描きあげる為に、ひとり娘を火にかけ
子供の命を芸術の犠牲にしながら、横死する
天才的な絵師の異常な執念を描く表題作他。
「藪の中」「六の宮の姫君」「舞踏会」の全四篇を収録。
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歴史物では、人間の内面、特にエゴイズムを
描き出したものが多い作者ですが
地獄変は人間の闇を抉る作品です。
中学時代に一番読み漁ったのが芥川龍之介で
「人生は地獄より地獄的である」というようなことを口にして
しきりに生きることの難しさや苦しみを語っていた作者に
とても心惹かれていました。
子供の頃のお小遣いでは、毎月何冊も買えないので
学校の図書室や市の図書館で本を借りては
貪り読んでいた、あの頃から考えると
こんな安価な価格で本が手に入る時代になるとは!!
読書は、国語力を養うだけではなく、心を豊かにします♪
これからも、もっと読書を楽しみたいと思います。