東直己の「探偵はバーにいる」シリーズにはまるきっかけになったのが、この映画化第一作の解説で紹介されたこの書き出しです。ススキノの便利屋をしているこの探偵の物語が、果たしてどんな風に映画化されているのか、結構気になっていました。
第2弾公開を記念してテレ朝地上波で第1弾がオンエア。久々地上波で映画をリアルタイムに見始めたものの、物語に集中し始めると入るCMには、わかっていても耐えられませんでした。仕方なく、DVDを購入して改めて見始めました。
時代設定が現代なのか、少し前なのかよくわからないが、ススキノの街の描写と、酔いどれ探偵とこれまた浮世離れした相棒の大学院生のバディぶりが映画版もなかなか良い感じ。大泉洋の探偵は、小説のイメージとかなり違うのだが、見ている内になぜかしっくりしてくる。相棒の高田はもっと大柄な人を想像していたのだが、松田龍平は文句なくぴったり。口でめんどくさそうにしていながら探偵のことを考えていることを上手く表している。その他の俳優も、コンドウキョウコやバー<ケラー>のバーテンはもちろん、脇役や小さい役も含めて小説の世界から映像の世界に上手に現れて、いきいきとしている。特に相手やくざの実行部隊の鼻にピアスをした男と、探偵が頼りにする桐原組の相田(?)役の男は、ぴったりはまっていました。一方、行きつけの喫茶店モンデの女性店員はないでしょ!
この映画はそういったススキノ界隈に出没するさまざまな人たちの織りなす物語を、探偵コンビを道案内の純粋に楽しむ映画であり、ちょっとゆるめのテンポも含め、そういう意味ではとても成功していると思います。第2弾を映画館へ見に行きたいなあ…