愛着(アタッチメント)やパーソナリティに関心があり、こちらのドクターの本も何冊も読んで参りました。
著書はもちろんのこと、読まれた皆様のレビューも多種多様で興味深く感じられました。
アダルトチルドレンのことを持ち出されておられる方がいらっしゃいますが、パーソナリティは人格形成について学問としても確立されているものかと思います。ここら辺の線引きが曖昧になってしまうと、根本的な解決を遠のけてしまうのではないでしょうか。
アダルトチルドレンや愛着障害だけでなく、発達障害や毒親など言葉だけが出回っているような雰囲気にどうも抵抗感を覚えます。
また、他の方も書かれていますが、あくまで精神科医師が書かれた著書だという認識で読まれることをおすすめします。
見た目には目立たなくとも混乱をきたしている場合、いきなり精神科へかかれば表面上に問題視される部分からパーソナリティの疾患が疑われ誤診されることも起こり得ます。
クライアントに見受けられる特有のパーソナリティによる偏りは、それが障害レベルなのか構造として持ち合わせているのか正確に判断出来る専門家はそんなに多くないように感じます。
専門家も人間ですから主観は入ってくるし、転移もわりと容易に起こるので仕方ないことなのだとは思いますが。
こちらの著書内でも取り上げられている類の精神疾患を抱え、重度ですが前向きに治療に取り組まれている方とお話する機会があり、その方から真剣な眼差しで「愛着とは何か?」と質問された時、返答に困りました。
本当に必要かもしれない方にとって、パーソナリティについての知識など縁遠いものなのかもしれません。
生きづらさを抱える方や、お子さんがいらっしゃる方に是非読んでみて欲しいと思える一冊です。
こちらのドクターは、何故こんなにも愛着に対して熱心に考察されるのか興味があります。
私自身も、答えのない答えを求めてこれからも勉強し考えていきたいなと思いました。