『月の破片』というタイトルと表紙の写真はちょっと怖く重たい印象ですが、本の中身は明るくすっと入っていける軽い内容になっています。
編集がかなり雑で本としては完成度が低いですが、さらりと書いた日記のように、曲からは想像もつかない等身大の彼女がそこにいます。
ご両親や弟妹ととても仲が良く愛されて育ったのが伝わってきて、ほのぼのとした気持ちになったりうらやましく思えたり。
機械の操作や料理の手順が覚えられなかったり布団カバーの紐が結べない等というユニークなエピソードなどは、逆に彼女が右脳が発達した本物の天才であることを証明している気がします。
最近、ニコニコ生放送で見せたフリーダム過ぎる鬼束ちひろさんの様子がネットで話題になっているようですが、この本を読んで、それもある意味彼女の狙いであるような気さえしてきました。
昨年ニューヨークを訪れ新たな目標を見つけたという彼女はとても頼もしく、全てをひっくるめてこれからも見守って行きたいと思いました。