この巻では安政の大獄について書かれています。実にわかりやすく、かつ笑いを交えてまとめてあります。面白いです。
安政の大獄において、井伊直弼率いる幕府側、処罰されていく者たちの心境・心情をじつに見事にマンガへと落とし込んでいます。
歴史とは見方によってさまざまな解釈、そして資料ひとつの発見でそれまでの定説がひっくり返ったりしますが、約160年前の事をここまで掘り起こした歴史学者の皆様、それを理解し咀嚼してマンガ化した作者みなもと太郎氏には畏敬の念すら覚えます。素晴らしいです。
安政の大獄は、処罰された側はもちろん、行き過ぎた井伊直弼においても「外国から守る!」という信念からの行動・決意であり、ただそれが「幕府」であったり「天皇」であったり、「国(神州)」であったりと、対象がことなっただけで、みな命がけで開国を迫る外国といかに向かい合ったのかが実にしっかりと、しかも時に面白おかしく描かれており、大変勉強になる一冊でした。
二度、三度と繰り返し読む価値のある本だと思います。