哲学に馴染みが無く、正義は面倒、と無意識に思っている読者を、大げさに言えば、1行ごとに哲学的?思考に引きずり込む迫力を感じた。サンデル博士と受講者の対話型表現形式で、シナリオを読むようなわかり易さに押されて前に進むのが良い。予想よりかなり早く読み終えた。下巻もすぐに読みたくなった。
自分の中の「知りたい、学びたい」気持ちが「哲学のこと」なのか、「正義のこと」なのかわからないが、思考訓練に効果的な優れた入門書に値する。15歳以上の全ての「学びたい人」に「これならついていける」と奨めたい。
東大講義でのイチロー選手の報酬については刺激的だった。何しろ比較対象がオバマ大統領なのだから。