最近テレビ番組にもよく出ている、学習院大学の鈴木教授が書かれています。
年金・医療・介護といった社会保障はどれも国民によく見せるために負担は抑えられている一方で、国庫負担、国庫補助だらけ。これらが日本の財政を圧迫しているのがよくわかります。
年金財政は現役世代の将来の給付も考えると、約800兆円の年金債務があるような状態。
政府や厚生労働省などは、充実した社会保障・安心できる老後の暮らしなどと抽象的な言い方をしているが、この本を読めばそんなきれいごとを言ってられる状況ではないことがよくわかります。
医療や介護も深刻ですが、最も深刻なのは巨額な費用のかかる年金制度。世代間格差もひどいもので、著者が書かれているようにせめて自分が払った分ぐらいは戻ってくる積立型の制度に作り変えていかなければならないと実感しました。
社会保障の不都合な真実がわかる、とても参考になる本です。