西尾維新。時系列で「傷」と「化」の間を埋める「猫」は羽川翼と「障り猫」のエピソード。と同時に物語と物語の整合性に配慮しつつキスショット(忍)・羽川翼・障り猫(黒羽川)・忍野メメ・阿良々木暦のキャラたちをクロスオーバーさせて語ってく辺りに腐心した作者の姿が浮かぶのも特徴でしょうか‥ この語りで「化」で始まった「ひとと怪異」の語りに一応の完結を迎えたと云っていいでしょうし、この終わりは次作「猫」白に少なからず関わってくるとすれば「化物語」の新たな語りの始まりにあたるとも云え、これを穿った見方をしてみると「羽川と障り猫」の挿話は「阿良々木暦と忍」の挿話とともに化物語のコアを貫く避けては通れないエピソード、そんな香りの強い語りです。