私は無宗教ですので、人の心にどうして神様を信じたい気持ちが芽生えるのか、心理学的な意味で、純粋に探究したいと思い、こちらの本を楽しみにしておりました。でも、内容は…。ひどいです。
あらゆるものを宗教、カルトとして切って捨てています。読者の共感をおいてけぼりにして、独自の理論を勝手に開花させまくっています。。私は無宗教のつもりでしたが、家族の墓参りやお焼香すら宗教なんですね。「ダヴィンチコード」の作者のダン・ブラウンを神秘主義者をあおる不届き者と切って捨てましたね。
著者のの理論は、正しいのかもしれませんが、読者に共感が生まれなければ、決して伝わることはないのです。
「私の理論さえ知っていればカルトにはまることはない」…著者は豪語します。しかし、こんな冷たい言葉でばっさり切って捨てられたら、人々は救いを求めてカルト宗教でも誰でもいいからすがってしまうと思います。
文章をお書きになる前に、人の心をとらえ、思いやりを持ち、共感を得るような文章が書けるように訓練なさることをおすすめします。本を読むのも、あなたと同じ人間なのですから、そのところをお忘れにならず文章に精進なさってください。
…ちなみに、私は途中からどんどん著者に、「こんな事も知らないのか?」「こんな風習をまだやってるのか?」と責め立てられているようで、読むのがとてもつらかったです。
また、どう考えても歴史上の事件を歪曲してとらえており、「ちゃんと歴史の勉強してますか?」と問いかけたくなる場面もありましたが、彼の神様のような自信の前には、何も言葉がでませんね。
少なくともこの著書を、現在カルトに走っている人に読ませたら、ますますカルトに救いを求めてしまうでしょう。私も、とても心が空虚になりました。楽しみに待っていた本だけに、失望がとても大きい本でした。彼の著書はこれからは外して読むようにしますね。