主人公がモノローグで自分はおそらくゲイだという趣旨のことを言っていましたが、だったらその辺りのことをきちんとリアルに描いて欲しかったです。同性愛を真摯に取り扱った作品ではなくて、どう見ても女性向けファンタジーでしかなかったので蛇足としか思えませんでした。半端な言い訳は不快なだけです。
巻末の読み切りはお祖父さんの若い頃の話でしたが、これじゃ奥さん(もう一方から見れば妹)の立場が無いです。いっそ本編で少し触れられた横恋慕男に略奪されていたほうがマシだったのでは…。なんでこんな意味不明な設定にしたのか分かりません。戦争の絡め方も苦手でした。戦争について描きたかったならBL設定のせいで焦点がぼやけてしまっているし、BLを描きたかったなら人間関係や心理をもっとしっかり描いてもらわないと、なんだか悲劇っぽさを煽るために戦死や自殺を添え物にしたように見えてしまいました。
他のサイトで見て評価が高かったので購入したのですが、私の感性には合いませんでした。描き方がどうにも中途半端な印象で好きになれません。
ちなみに私には受け攻めが判別できませんでした。他の方のレビューを見てどこで判断しているか不思議に思って読み返ましたがやっぱり分かりません。