他の追悼本と明らかに印象の違う本です。
追悼本、というよりも「伝記」と表現する方がしっくりくる感じでしょうか。
マイケル・ジャクソンという稀有な存在に敬意を払いつつ、丁寧に彼の一生を記述した本です。
そのため、賞賛ばかりではない内容なのですが、悪意のあるゴシップの様な記載ではありません。
それは例えば・・・ビートルズの楽曲をマイケルが入手したことによりポールとの関係が変化してしまったという事や、また、ダイアナ・ロスとの友情も長年の間には多少不仲な時期も存在した、という様なあくまで事実関係の確認的な記載です。
マイケルの才能と業績に敬意を払うのと同時に、彼の野心的な面やライバルへの強烈な意識などにも触れており、この本の著者の視点は冷静で公平なものという印象を受けました。
文章と写真の割合は半々くらいでしょうか、写真も印象的なものが多く使われているので見ごたえがあります。
個人的にはかなり満足度の高い本で、購入してよかったと思います。
ちなみに日本の芸能人の寄稿については、ちょっととってつけた様な感じがしました。
(原語版には無い、日本版で追加された内容ですしね)
それでもまだ郷ひろみ氏の寄稿はマイケルと実際に会った時のエピソードが披露されているから良いとしても、他の方は微妙です・・・。
依頼が来たので頑張ってマイケルとご自分の音楽スタイルの話を書いてみた、という雰囲気の寄稿は不要だったのでは・・・と感じました。