新潮文庫版の工藤精一郎訳などの比較は1巻の購入レビューでしておりましたので、宜しければ参考にして頂けましたら幸いですw
第2巻のあらすじとしては、1巻目ではなかなか曖昧模糊としたラスコーリニコフの殺人動機が輪郭を持ったモノになってくると言うところでしょうか???
また、1巻と比較し登場人物とのやりとりが結構複雑になって来ますからそういった意味でも退屈しない構成だったと思います。
さて、恒例の「読書ガイド」(あとがきのようなものも含む。)ですが、これは1巻よりも充実している感じで作品465ページ中何と60ページにもわたって割かれています。
まあ、亀山郁夫氏の訳の「カラマーゾフの兄弟」「悪霊」に関していえば、ほぼ別巻扱いのモノまでリリースされているわけですから、それと比べるとかわいらしいモノですがw
ただし、その内容は相変わらず絶品!!! 1巻のあらすじはない方が良かった気は致しますが、ソーニャの「黄の鑑札」、ラスコーリニコフの思想体系はもとより、作品中重要と思われるキリスト教の福音書の影響や引用、はたまたドストエフスキー自身の聖書を使用したある種の読者への謎かけなどかなり興味深く、これが無ければスルーしていた所ばかりだったように思えます。
1巻のレビューでも言及しておりますが、光文社版はコスパが悪くとも、新潮社版をかなり昔に読んだ、ドストエフスキーの作品をかなり掘り下げて読んでみたいと感じておられている方には超お勧めです。