この映画をカラーで見たいと思う気持ちの一方で、幻想的でまがまがしい雰囲気が、白黒だからこそより妖艶に感じられるんだろうなとの思いがある。CGじゃない、本物の人間が演じているからこその生々しさが凄い。
この映画を知っていると、ディズニーのアニメは、原作の不思議な魔法の世界を理解してないな、と思わずにはいられない。
原題の「LA BELLE ET LA BETE」は、きれいに韻を踏んでいて、見ても美しいなと思う。日本語の「美女と野獣」も対比の美があって、とてもいい。
一番好きなシーンは、ラストのベルが傷ついた野獣に駆け寄るところ。それまではラ・ベイトと呼んでいたのが、ここでマ・ベイトと呼び方が変わる。フランス語はわからなくても、この変化に気づいたとき、すごく嬉しかった。