私は朝ごはんを食べない家庭に育ちました。母は夜型の生活で、朝ごはんを食べませんでした。母はコーヒーを一杯飲んで終わりだった為、私たち子供も朝ごはんはありませんでした。子供時代の自分は食が細く、あまり食べる喜びもありませんでした。たくさん食べられず、給食も辛かったです。それから私は大人になっても朝は食欲が全くなく、昼も夜も無理やり食べるような生活。なかなか体質が治らなかったのです。食が細いのだから仕方がない、と思っていました。30歳近くになって体調を崩してから、朝ごはんを食べる努力をしました。圧倒的に、たんぱく質が足りない、と医者に言われたからです。 無理して食べ始めたけれど、やはり食べきれない日もありました。そんな時に、看護師さんから『朝に豆乳を温めて飲みなさい、飲みにくければココアやハチミツを入れればいいよ』と教わりました。
豆乳を1ヶ月も飲み続けた頃から、段々と、果物、卵焼き、おにぎり…と量を増やしていきました。今は、おいしいなぁ、としみじみ思えるようになり、体調も快復してきました。
『子供に朝ごはんをしっかり食べさせる』ことは、とても大事です。家庭環境によっては、子供の将来に大きな影響を与えてしまうということ。母の味、その家庭の味、とは皆それぞれにあるものでしょうけど、私にはありませんでした。
食事は命なんですね。今、ありがたく食べられています。私と同じ思いをされている方に、この本をぜひ読んで頂きたいです。たいそうな料理でなく、ごく普通の朝ごはんが、どんなに素晴らしいごちそうか。
飯島奈美さんの本は、どれもホッとするんです。
『私の家庭の味』は飯島さんの味です。
もうすぐ結婚するので、彼にしっかりと朝ごはんを食べさせたいと思います。