読んで面白い本というよりは、自分自身のあり方や、社会のあり方、人と人との関わり方について真面目に考えさせられる本という感じで、読みごたえがありました。文章自体は、江原さんご自身の体験や赤穂浪士の物語などを例に挙げながら分かりやすく綴られていますが、「大我」と「小我」の見分け方や「見せかけの善意」の奥に潜む悪意の見分け方などはなかなか難しく、読むほどに自分はまだまだだなァ、という事を再認識させられます。「霊能者」である江原さんの著書ではありますが、いたずらに「霊」や「あの世」などに翻弄されるのではなく、極めて現実的かつ常識的な内容であるのが好印象。