マキンやタラワもそうだが、激戦だった太平洋の島々で、どのような行為が行われたのか描かれたものが極端に少ない。特に、日本兵の生存者は数十人程度なので、詳細を語ることのできる者がいないので、完全なブラックボックスとなってしまっている。
仕方がなく、米兵の従軍日記などの記載から当時の日本兵の心境を推察するしかない。
金歯を得るためにまだ息のある日本兵の両頬をナイフで削ぎ落とし、平然と歯茎から歯をむしりとった米兵の記載が淡々と記載されているが、これは日本兵たちの味わった筆舌に尽くしがたい苦痛のほんの一部分だろう。