著者自身も加藤寛ゼミナール(通称カンゼミ)のOBだけあって、体育会系ゼミと言われたカンゼミの「熱っぽさ」がよく伝わってきた。教育者にとって本当に大切でかつ難しいのは、学生に知識や技術を「教え込む」のではなくて、本人の「やる気を引き出す」ことであり、そのメカニズムがカンゼミに内在していたことが本書で理解できた。一人でも多くの若者たちが、カンゼミ生と同じように、自らやる気を持って多少の困難にも果敢にチャレンジできるようなれば日本の将来も明るいはず。そういう人材育成を担っている大学の関係者にぜひ一読をすすめたい。