阿部サダオと柴咲コウの映画と思ったが、堤真一と小出早織が主役二人と同じくらいストーリー上重要な役を演じている。特に小出早織は他の3人に負けない演技で存在感を示し、この映画でワンランクアップした印象。
とにかく急展開のストーリーが最後まで飽きさせない。鬼塚の演技で笑わせてくれるが、花街に生きる人間の悲哀も描いている。
舞妓さんに人生のすべてを燃やし尽くすような情熱を注ぐ、せっぱ詰まったエキセントリックな感じの鬼塚役は阿部サダオにしかできないと思わせる。彼の破天荒な行動に、ありえねーと独り言を言いながら、笑った(寂しい人生のせいか、最近独り言が多くなりました、恥笑)。
ライバルとなるナイキこと内藤喜一郎の、気まぐれで華やかな人生はあきれるほどだが、喜一郎の余裕満々の態度が鬼塚の怒りに油を注ぐことになる(笑)。
鬼塚を追ってさつきお母さんの置屋に転がり込んだ富士子は、駒子の付き人になり、厳しい修行を経て、舞妓として駒富士を名乗ることになるが、鬼塚とは常にすれ違い(笑)。OL時代の情けない女性としての演技と舞妓のきりりとした演技が対照的。
植木等の遺作となったが、脂っ気の抜けた西陣の社長役は遊び慣れたご隠居を短いシーンで見事に演じていて、それが仙人(?)のように見えて泣けた。ラストのクレジットがまた泣かせてくれた。
DVDを起動させるとおみくじが表示される(末吉だったが、何度も挑戦できるので4回したら大吉が出た)。
作品自体は☆5つにしていいと思うが、このDVDパッケージの構成*で5千円(税込)を超える価格は高すぎる。特典映像は公開中にテレビの番宣で使われた内容も含まれており、さらに特典映像を見終わった後に、レンタルでも違った特典映像が楽しめるとクレジットされたときは怒りさえ感じた(レンタルが12/7からで、セルが12/12からという時点で不満を感じていた)。
* この価格なら普通は特典ディスクが付いてくるが、本編ディスク1枚しかない。舞妓Haaaan!!! DVDの封入紹介を見ると「特製野球拳カード」と「京都ロケ地マップ」と「舞妓はんの基礎知識表」が紹介されて、3点あるように見えるが、ロケ地マップと基礎知識表は裏表で1枚になっている。