英国貴族の生活を捨て、放浪の旅の末に京都・大原に移り住んだという特異な経歴を持つイギリス人女性、ベニシア・スタンリースミスさんの、四季を通じハーブをはじめとする植物に囲まれた田舎暮らしぶりがぎっしり詰まった、充実の一冊。日本人のご主人が写真と翻訳を担当されています。
ベランダで少し植物を育て始めた頃に、偶然NHK趣味の園芸のスペシャル番組「京都大原 英国人ベニシアの庭物語」を観て彼女のファンになり、そのすぐ後にこの本の存在を知って、番組で観た素敵なライフスタイルに本で再び触れられるなら、と迷わず購入しました。あの番組は見応えがあり、ベニシアさんの生の言動にも触れられて、たちまち彼女の魅力に惹かれたものでしたが、この本もその魅力をそのまま書籍化した感じで、いや、ベニシアさんオリジナルのハーブレシピ が110も紹介されているという点では、保存版の絶対"買い"だと言えます。ハーブレシピを紹介する本はたくさんありますが、ベニシアさんの魅力に触れられるこの本は、大満足間違いなしです。
大原の築百年の古民家でイングリッシュガーデンと和の庭を融合させ、その恵みを受けて暮らすなどという事は、簡単に真似できる事ではないですが、何か自分の生活の中に取り入れられるヒントはないかと、本を手にしていろいろと思い廻らせるひとときもまた、楽しいものです。