「秘密」は、死者の脳に残された視覚情報を再現できるようになった……という設定の話です。もちろんプライバシーの問題があるので、用いられるのは犯罪捜査のみです。
1巻・2巻・3巻、それぞれお話は完結しています。タイトルどおり、犯罪の被害者や犯人の心の秘密に迫っていくという、ダークな話です。
1巻と2巻がとよかったので3巻も買ったのですが、今回もすごい。傑作です。いろんな意味でタブーに挑戦した話でもありましたね。それだけに、低年齢の人 (小学生とか)にはお勧めできません。おとな(ヤングアダルトも含む)が読むマンガでしょう。
猟奇殺人の犯人を追う話なので、残酷というのもありますけど、一歩まちがえば差別問題……みたいな要素も含んでいますし。差別や不運は犯罪の動機になりうるが、だからといって不運な人が犯罪を犯すとはかぎらないし(あたりまえだ)、まして差別していいわけはないってことをわかっていない人は、このマンガを読むべきじゃないと思います。
あ、誤解のないように言っておきますが、このマンガが差別意識で描かれているってわけじゃありませんよ。むしろ逆でしょう。よく聞く「貧困は犯罪の温床になる」という論が貧乏人を差別しているわけではないのと同じで。
それに、残酷というのを強調してしまいましたが、美しい話でもあります。ひとりの人間の内面に共存する深い愛情と残酷さ……。ん~~、あまり書くとネタばれになってしまいそうなのでやめておきますね。