半年前にウェブ進化論を読んだが、そこではWeb2.0の良い面をかなりポジティブに論じていた。
当然、光あるところには影があるのだが、そのWeb2.0の良い面が及ぼす社会構造の変化に鋭い突っ込みをいれてこのフラット化する世界(上)ではネガティブに論じている。では何を論じているかというと、Web2.0などインターネットの普及で世界がフラット化して、ゆくゆくは米国や日本で高い給料を払って彼らを雇うよりも中国やインドの現地で人を雇って彼らとのやり取りはネット経由で米国・日本からすればよいというものだ。
でも頭を使う仕事は、米国人や日本人でやらせるんでしょ?単純作業だけが中国人やインド人なんでしょ?
という質問が出てきそうだが、その答えはYesでもNoでもある。米国では米国の公認会計士や税理士を雇うよりインドでそれらを雇うほうが金銭的に都合が良い。彼らとはまるで隣の席で仕事をしているような感じにするWeb上のソフトウェアがあるそうで、実務レベルでは問題ないところまできているようです。では質はどうか?ここはまだグレーのようだが、そのあたりはソフトウェアでカバーできるようになるのではないかと私は思う。このように中途半端に頭を使う仕事、例えば経理事務・税理事務・SE作業・プログラミング・コアでない設計業務などはオフショアリングと言った海外請負外注をして、いままで安泰と言われていた比較的頭を使っているホワイトカラーの職は奪われ始めている。
ホントにホントに頭を使う仕事、製品コンセプト設計・企業戦略立案などの付加価値創造・問題解決を必要とする職種は、今まで以上に必要となってくるとこの本からは読み取れた。