内藤濯さんの訳で、多くの人に愛された「星の王子さま」を、池澤夏樹さんが訳しました。満を持した名訳です。飛行機という道具で世界と人間を知ろうとしたサンテグジュベリが、砂漠と化した地球で、魂の渇きに耐えて生きるための井戸を見つけるための知恵が語られます。
大人向けにきちんと訳されていて、星の王子さまはこんなにいろいろなことを語ったんだ、と、認識させられます。ばらの花と王子のやりとりに、「愛しているし、何でもしてあげるつもりなのに、うまくいかない」「言葉じゃなくて、花のふるまいをみつめてあげれば良かったのに」別れてしまったばらの花と王子さま。後悔と寂しさが心を打ちます。
愛する人へのプレゼントに最適です。