「あのころはフリードリヒがいた」「ぼくたちもそこにいた」の3部作の最終編であるが、内容は全く独立している。
主人公が志願兵として入隊してから戦争が終わるまでが描かれている。「みんなが志願しているから」というような動機で志願した主人公は、新兵訓練でしごかれてから、前線へ。そして負傷。野戦病院で軍医の安易な診断で左腕を切断。除隊と思われたが何と士官学校へ行けという命令(主人公の新兵訓練を担当した下士官はすべて障害者だったのに)。士官学校を卒業し、晴れて少尉になった主人公は自分の訓練時と
同様に招集兵(年配の予備役兵士)をしごく。終戦時、彼はまだ20歳だった。名作映画「西部戦線異常なし」を思い起こさせる物語である。