友人から面白い本を聞かれ、プレゼント用に購入しました。最初に読んだのはかれこれ15年前になろうか。その時の興奮は忘れがたいものでした。ストーリーの進め方が面白く、息つく暇がなかった事を思い出します。そして、現実とゲームの世界が混沌としてわからなくなり、自分がどの世界で生きているのかそれを証明しようとするラストには、名状しがたい不安を残したものでした。それは、認知症のお年寄りは、現実よりも夢の中の事が鮮明になっていく事を知った現在、認知症はまるでクラインの壷だと思え、その不安と混乱を少しでも理解していこうとする基礎になったと思います。