通勤時間を利用して全5巻を3週間で読みました。アフリカ篇上下・御巣鷹山篇・会長室篇上下と全篇400ページを超える大作です。某航空会社の大事故前後を綿密な取材を基に小説という形に昇華させています。単なるドキュメンタリーではなく、主人公の良心・勇気・無力感・絶望といったメンタルな部分が克明に描写されています。同じサラリーマンの自分と照らし合わせながら、考えさせられることが多かったです。あと一歩で政治家と企業の癒着という巨大な闇を切り裂くことができるというところで小説を終わらせるところが絶妙です。最後には、いつかサバンナで沈まぬ太陽を見てみたいと思わせてくれます。それは良心と勇気を持った人間にしか見ることのできない黄金の矢なのかも知れませんね。